日本の賃貸で入居審査に落ちるのはなぜ?よくある10の理由
入居審査は理由を告げられないまま落ちることがあります。外国人住民がつまずきやすい10のポイントと、申込内容を整え直す進め方をまとめました。
日本で入居申込書を出したからといって、契約が約束されるわけではありません。申込を受けたあと、不動産会社、管理会社、貸主、家賃債務保証会社がそれぞれ審査に関わることがあります。通らなかった場合でも、詳しい理由が伝えられるとは限りません。
先に知っておきたいこと: すべての会社に当てはまる「落ちる理由10項目」という公式のリストは存在しません。基準は会社ごとに異なります。以下に挙げるのは、申込内容の問題点を見つけ、より条件の合う物件を選ぶために実際に確認しておきたい点であり、審査に通ることを保証する方法ではありません。
国土交通省のガイドブックでは、賃貸住宅を借りる流れとして、申込を行い、不動産会社と貸主による審査を経て、そのあとに契約へ進むと説明されています。あわせて、パスポート、在留カード、収入や就労・在学を証明する書類が一般的に必要になるとされています。部屋探しのガイドブック
1. 物件が外国人の入居に対応しているか確認できていない
インターネットに掲載が残っていても、誰でも申し込めるとは限りません。貸主の条件は変わることがありますし、すでに他の方が審査中だったり、特定の条件に合う申込だけを受け付けていたりする場合があります。
書類を送る前に、不動産会社に次の点を確認してもらうとよいでしょう。
まだ申込を受け付けている物件ですか。
貸主は、あなたの在留資格で外国人の入居を受け入れていますか。
日本語能力に関する条件はありますか。
どの保証会社を利用しますか。
入居人数、入居者同士の関係、使用目的は条件に合っていますか。
はじめから条件の合わない物件に申し込むと、時間を使うだけでなく、「市場全体から断られている」と誤解してしまう原因にもなります。
2. 家賃が支払い能力に見合っていない
貸主や保証会社は、家賃を払い続けられる安定した原資があるかどうかを見ます。収入、雇用契約の種類、勤続期間、奨学金、貯蓄、資金を援助してくれる方などが確認の対象になることがあります。
すべての申込に共通する固定の収入比率があるわけではありません。ただし、証明できる収入に対して家賃の割合が大きすぎる場合、審査が通りにくくなることがあります。
対処は、収入を多く申告することではありません。次のように進めてください。
希望家賃の水準を下げる。
求められた収入証明書類を正しく提出する。
実際にある場合に限り、補助的な支払い原資について説明する。
ご自身の就労形態に合う保証会社を使う物件を選ぶ。
3. 在留期間と居住予定がはっきりしない
在留カードの期限が近い場合、審査する側が更新の予定を知りたがることがあります。期限が近いというだけで自動的に落ちるという意味ではありませんが、説明のない申込は不確実な印象を与えやすくなります。
就労、在学、更新手続きが進んでいることを示す書類がある場合、そして審査する側が受け付ける場合には、あらかじめ用意しておくことができます。実際には申請していないのに「更新を申請済み」と伝えてはいけません。
入居希望日にも無理がないようにします。長く部屋を押さえてほしいと希望しても、貸主が早く契約を始めたいと考えている場合、予定どおりに入居できる方と比べて条件面で不利になることがあります。
4. 勤務先や収入の情報が一致していない
よくある例です。
申込書は正社員なのに、書類は有期契約になっている。
年収の計算が誤っている、または安定しない収入を含めている。
契約書と申込書で会社名が違う。
入社日が一致しない。
勤務先の電話番号が確認できない。
働き始めたばかりの方、転職したばかりの方、勤務先が新しく設立された会社である方は、隠すのではなく事情をきちんと説明してください。雇用契約書、在職証明書、手元にある給与明細が、同じ内容を示している状態が望ましいです。
5. 在籍確認の電話がつながらない
会社によっては、入居者ご本人、勤務先、緊急連絡先、保証人へ電話をかけます。次のような場合、審査が滞ることがあります。
電話番号が誤っている。
知らない番号を着信拒否に設定している。
何度かけても応答がない。
連絡先の方があなたの名前を知らない、または自分が記載されていることを知らない。
部署の違うところにかかってしまい、勤務先で確認が取れない。
申し込む前に、連絡先の方に伝えておき、どの会社名で電話がかかる可能性があるかを不動産会社に聞いておきましょう。事実と違う受け答えを頼む必要はありません。電話の目的を知っていて、正しい情報を答えられれば十分です。
6. 緊急連絡先や保証の条件が足りない
保証会社を利用するからといって、緊急連絡先が不要になるとは限りません。日本国内で連絡が取れる方を求められる申込もあります。物件によっては、連帯保証人や、保証人側の追加書類が必要になる場合もあります。
次のように区別して考えてください。
緊急連絡先:何かあったときに連絡する相手。連帯保証人:保証契約に基づいて責任を負う方。家賃債務保証会社:家賃の債務を保証する事業者。
役割を取り違えて記入したり、同意を得ていない方の情報を書いたりすると、そこで審査が止まってしまうことがあります。
7. 入居人数や使用目的が条件に合わない
単身者向けの部屋に、当然のように2人や3人で入居できるわけではありません。ルームシェア、ペットの飼育、事務所としての利用、転貸、短期の宿泊利用を認めていない物件もあります。
配偶者やお子さんが後から来日する予定であれば、最初の段階で伝えてください。在宅で仕事をすることと、その部屋を事業の所在地として登録したり、頻繁にお客様を迎えたりすることは別の話です。
単身で申し込んでおいて、あとから黙って人数を増やすことは避けてください。審査に落ちるおそれがあるだけでなく、入居後に契約違反となる可能性もあります。
8. 書類の不足・期限切れ・読み取りづらさ
追加提出が遅れただけで、物件を逃してしまうこともあります。単純な不備の例です。
在留カードの裏面がない。
写真が光って写っている、角が切れている。
パスポートの有効期限が切れている。
給与明細のページが足りない。
求められた翻訳が付いていない。
ファイル名がばらばらで、誰の書類か判別できない。
提出前にチェックリストで書類を確認し、追加提出の依頼には知らされた期限内に対応しましょう。
9. 入居申込書の記載に誤りや矛盾がある
書き間違いは、早く気づけば訂正できます。しかし、収入、職業、入居人数、在留状況について意図的に事実と異なる記載をすると、信頼を失い、断られる原因になることがあります。
申込書に署名する前に、次を確認してください。
氏名と生年月日。
現住所。
在留資格と在留期間。
勤務先、役職、雇用形態。
月収と年収。
同居する方。
緊急連絡先。
賃貸借の開始希望日。
不動産会社が代わりに記入した場合でも、記載内容の責任は名義人にありますので、必ずご自身で読み返してください。
10. 保証会社の社内基準に合わない
保証会社は独自に審査を行い、断った理由を明らかにしないことがあります。貸主が了承していても、保証の段階で申込が止まる場合があります。
不動産会社に確認するとよいのは、次のような点です。
訂正が必要なデータの誤りはありませんか。
在籍確認の電話は完了していますか。
この物件は別の保証会社も利用できますか。
今の申込内容により合う物件は他にありませんか。
保証会社へ何度も電話して社内基準を聞き出そうとしたり、内容の異なる情報で何度も申し込み直したりすることは避けてください。
審査に落ちたあとは何をすればいいですか?
ステップ1:偽りの情報で申込内容を直さない
事実と異なる申告は、次の申込のときや契約のときに問題になることがあります。
ステップ2:確認できる誤りを洗い出す
電話番号、会社名、収入、入居希望日、入居人数、送信済みのファイルを見直します。
ステップ3:部屋探しの条件を調整する
家賃の予算を下げる、エリアを広げる、入居日を早める、外国人の入居受け入れが確認できている物件を探す、といった調整を検討します。
ステップ4:短い説明と裏づけ書類を用意する
働き始めたばかりの方、更新手続きを待っている方、ご家族が近く来日する方は、状況を数行で正確に説明し、実在する書類を添えてください。
ステップ5:条件が合う物件だけに申し込む
申込の数より、選び方の質が大切です。事前に条件を確認した1件のほうが、手当たり次第に出した5件より価値があります。
何度も落ちるとき:住宅セーフティネットの住宅という選択肢
ここまでに挙げた申込内容の不備を直しても断られ続ける場合、知っておきたい別の探し方があります。国土交通省は住宅セーフティネット制度を運用しており、貸主が都道府県や指定を受けた市区町村に賃貸住宅を登録し、住まいの確保に困っている方、いわゆる住宅確保要配慮者の入居を拒まないことを約束する仕組みです。
法律では、この対象として低額所得者、被災者、高齢者、障害者、子育て世帯が挙げられています。下位の法令では外国人も加えられており、各自治体が住宅に関する計画の中で対象を広げることもできます。つまり、外国人であるという立場はこの制度の範囲に含まれています。住宅セーフティネット制度(国土交通省)
登録された住宅を探す
登録された住宅の情報はセーフティネット住宅情報提供システムで公開されています。都道府県で絞り込めるほか、その住宅が受け入れている対象で絞り込むこともでき、その中に外国人の項目があります。日本語でご自身で調べるのが難しい場合は、不動産会社やお住まいの自治体の相談窓口に聞いてみてください。
居住支援の窓口
都道府県は居住支援法人を指定しています。入居に関する情報提供、相談、支援を行う団体で、その中には家賃債務保証に関するものも含まれます。多くの地域には、同じような窓口として居住支援協議会もあります。
限界も正しく理解しておいてください。登録リストに載っている住宅だからといって、申込が自動的に通るわけではありません。住宅ごとに条件があり、審査の手続きも行われます。これは探せる住宅の幅を広げる方法であって、審査を飛ばす近道ではありません。
NST Connect にできること
NST Connect では、物件を選ぶ前の申込内容の確認、外国人の入居受け入れ条件の確認、書類の整理、説明が必要な点についての管理会社とのやり取りをお手伝いできます。
審査に通ることをお約束することはできません。判断するのは貸主、管理会社、保証会社だからです。サポートの価値は、避けられるはずの不備を減らし、条件の合う物件を選び、情報を一貫した形で伝えられるようにすることにあります。
次に探すときは、敷金・礼金・毎月の合計の概算が物件ごとに書かれた募集中の一覧から、はじめから予算に合う物件に絞って申し込むことができます。
よくある質問
落ちた理由を正確に教えてもらえますか?
必ず分かるとは限りません。結果だけを伝える会社もあります。それでも、申込内容の不備を確認し、次に向けて選び方を調整することはできます。
複数の物件に同時に申し込むほうがいいですか?
必ずしもそうとは限りません。部屋の押さえ方、申込の取り下げ、関係するお金の取り扱いについて理解しておく必要があります。内容の食い違う申込を複数出すと、かえって面倒が増えることがあります。
名義を他の人に借りることはできますか?
名義人は実際に賃貸借の当事者となり、条件を満たしている必要があります。名義を偽ることや、無断で転貸することは、契約違反になるおそれがあります。
外国人でも借りやすい物件はありますか?
外国人の受け入れが確認できている物件がありますし、住まいの確保に困っている方を支える住宅セーフティネットの仕組みもあります。具体的な条件は、物件ごとに確認する必要があります。住宅セーフティネット制度(国土交通省)
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出典は2026年8月27日に確認しました。本記事で挙げた原因は実務上の準備のポイントであり、すべての事業者の公式な、または網羅的な審査基準ではありません。